南仏旅行
南仏9日間の旅行に行ってきた。
パリ組から、東大のo君、九大のiさん、ラヴィレット正規入学のnさん。これに加えて、
ベルギー組から、東大のs君、千葉大のo君、九大のh君。合計7人。
マルセイユまでTGVで行き、ベルギー組と合流。そこからは全行程レンタカーでの移動。
車はもちろん左ハンドル、マニュアル、右側通行。
ドライバー2人は海外初運転。マニュアルなんて免許とって以来。
9日間で走行距離は2300キロだった。
車でしか行くことのできない秘境ばかりを攻めるという、とてもマニアックなツアーになった。
1日目
06:42 パリ発 Gare de Lyon
朝早すぎて、約一名が乗り遅れるというハプニングが発生。
この旅は、何かが起こる!と、赤く染まった朝日を見ながら変な期待を抱く。
09:57 マルセイユ着
この日は旅行1日目にして、ル・トロネとユニテ・ダビタシオンというすごい組み合わせの日。
まずはマルセイユの町を見下ろす高台で腹ごしらえ。
ベルギー組がストで足止めをくらったりしたが、無事合流し、さっそくル・トロネLe Thoronetへ。
いわずと知れたシトー派の修道院。ロマネスク。南仏三姉妹のひとつ。
ル・トロネの石は、粗い石、というけれどその「粗い」というのがどういうものなのかを
今回の旅で、実際に訪れて確かめたいというのがあった。
ル・トロネの粗さは、その石の硬さからきていて、加工に困難を要するゆえに、
表面が粗くなっているような粗さだった。
しかし、エッジの部分はとても丁寧に加工されている。
ル・トロネの空気は、面の粗さと、エッジの鋭さによって作られているような気がした。
ル・トロネ修道院は、光の中に踊る、生き物のようだった。
建築の中に光が入ってくるのではなく、
光の中にある、ただそこにあるものに、
光が染み入っていくのを見た。
その孔を通る光は
そこで一度凝固され
それからまた
別の光として生まれているようだった
光を飲み込んでは吐き出す作業を繰り返す
回廊へと続く扉
時間と共に光が変化し、
その移ろいゆく光の中で、建築がかたちを変えているようで
一度通ったところが、次に来た時には別の空間になっていた
歩けば歩くほどに、新しい空間が広がっていて
どこまで行っても、静かで優しい光が揺らいでいる巡回廊
三姉妹のうちでも、敷地に最も高低差があるル・トロネは、
階段の操作が本当に上手い。
光のコントラストは、エッジの鋭さにより生まれていて、
光が染み入るような印象は、面の粗さにより生まれている。
素材が限定され、宗教的装飾もなく、
そこはある種の自然のような場所
中庭に面した回廊は厚さ1400の壁に2連アーチが入り深さを与え、
同時に高低差が浮遊感を与え、
単なる「建物」を越えた場所にしている
シトー会は貞潔、清貧、服従を守り、
苦行のため寿命は28歳ほどだったという
現代では作れない、空間の力強さがそこにあった
このような建築が今もそこに建っていること
こんな素晴らしいことはない
ル・トロネの閉館時間いっぱいまで居て、
去り難さを覚えながらも
再びマルセイユへ戻り、
ユニテ・ダビタシオンへ。
ル・トロネを見たあとでのこの建築を評価するのは難しい。
びっくりするくらい廊下が暗い
運よくメゾネットの部屋と、普通の1層の部屋を見ることができたが、
何か、ひどく窮屈に感じてしまった。
ピロティは立派な駐輪場に。
共用通路
そして、なんと屋上は改修工事中で入れず。
よくある集合住宅と違うのはわかるけれど、
本当に住みよいのか
マルセイユの中心へ戻り、夜飯はブイヤベース。
o君は前菜に魚のスープを頼み、旨い旨いと言って食べていたのに
メインのブイヤベースが、ほぼ同じスープで少し具が多いだけだったという伝説を残し、
後々まで語り継がれることになる…
パリ組から、東大のo君、九大のiさん、ラヴィレット正規入学のnさん。これに加えて、
ベルギー組から、東大のs君、千葉大のo君、九大のh君。合計7人。
マルセイユまでTGVで行き、ベルギー組と合流。そこからは全行程レンタカーでの移動。
車はもちろん左ハンドル、マニュアル、右側通行。
ドライバー2人は海外初運転。マニュアルなんて免許とって以来。
9日間で走行距離は2300キロだった。
車でしか行くことのできない秘境ばかりを攻めるという、とてもマニアックなツアーになった。
1日目
06:42 パリ発 Gare de Lyon
朝早すぎて、約一名が乗り遅れるというハプニングが発生。
この旅は、何かが起こる!と、赤く染まった朝日を見ながら変な期待を抱く。
09:57 マルセイユ着
この日は旅行1日目にして、ル・トロネとユニテ・ダビタシオンというすごい組み合わせの日。
まずはマルセイユの町を見下ろす高台で腹ごしらえ。
ベルギー組がストで足止めをくらったりしたが、無事合流し、さっそくル・トロネLe Thoronetへ。
いわずと知れたシトー派の修道院。ロマネスク。南仏三姉妹のひとつ。
ル・トロネの石は、粗い石、というけれどその「粗い」というのがどういうものなのかを
今回の旅で、実際に訪れて確かめたいというのがあった。
ル・トロネの粗さは、その石の硬さからきていて、加工に困難を要するゆえに、
表面が粗くなっているような粗さだった。
しかし、エッジの部分はとても丁寧に加工されている。
ル・トロネの空気は、面の粗さと、エッジの鋭さによって作られているような気がした。
ル・トロネ修道院は、光の中に踊る、生き物のようだった。
建築の中に光が入ってくるのではなく、
光の中にある、ただそこにあるものに、
光が染み入っていくのを見た。
その孔を通る光は
そこで一度凝固され
それからまた
別の光として生まれているようだった
光を飲み込んでは吐き出す作業を繰り返す
回廊へと続く扉
時間と共に光が変化し、
その移ろいゆく光の中で、建築がかたちを変えているようで
一度通ったところが、次に来た時には別の空間になっていた
歩けば歩くほどに、新しい空間が広がっていて
どこまで行っても、静かで優しい光が揺らいでいる巡回廊
三姉妹のうちでも、敷地に最も高低差があるル・トロネは、
階段の操作が本当に上手い。
光のコントラストは、エッジの鋭さにより生まれていて、
光が染み入るような印象は、面の粗さにより生まれている。
素材が限定され、宗教的装飾もなく、
そこはある種の自然のような場所
中庭に面した回廊は厚さ1400の壁に2連アーチが入り深さを与え、
同時に高低差が浮遊感を与え、
単なる「建物」を越えた場所にしている
シトー会は貞潔、清貧、服従を守り、
苦行のため寿命は28歳ほどだったという
現代では作れない、空間の力強さがそこにあった
このような建築が今もそこに建っていること
こんな素晴らしいことはない
ル・トロネの閉館時間いっぱいまで居て、
去り難さを覚えながらも
再びマルセイユへ戻り、
ユニテ・ダビタシオンへ。
ル・トロネを見たあとでのこの建築を評価するのは難しい。
びっくりするくらい廊下が暗い
運よくメゾネットの部屋と、普通の1層の部屋を見ることができたが、
何か、ひどく窮屈に感じてしまった。
ピロティは立派な駐輪場に。
共用通路
そして、なんと屋上は改修工事中で入れず。
よくある集合住宅と違うのはわかるけれど、
本当に住みよいのか
マルセイユの中心へ戻り、夜飯はブイヤベース。
o君は前菜に魚のスープを頼み、旨い旨いと言って食べていたのに
メインのブイヤベースが、ほぼ同じスープで少し具が多いだけだったという伝説を残し、
後々まで語り継がれることになる…
by atsushiikudome
| 2010-04-26 08:30