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デヴィッド・リンチ

今日は一日中、3年生(日本での4年生)の表現技術の授業。

午前中は、デヴィッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」をみんなで鑑賞。145分。
英語にフランス語字幕。

難しい。
日本でリンチ作品を観てこなかったことにやや後悔。


先生いわく、リンチはピカソと一緒で、リンチの作品は人生と一緒らしい。



午後からは、ギャラリー・ラファイエットという百貨店のショーウィンドウ&ギャラリーへ。

そこでリンチのインスタレーション的ショーウィンドウや、リトグラフが展示されている。


が、

THE NANKAI

ザ・難解。

昔の人が言っていた。「考えるんじゃない、感じるんだ」と
デヴィッド・リンチ_c0206107_754212.jpg


ショーウィンドウはガラスの反射率が高く、見にくかった。
やっぱり、それも含めて作品なのか?と思って、それを意識した写真。
そのうえで、poladroidにかけたらちょっとは作品っぽく見える。
デヴィッド・リンチ_c0206107_7162974.jpg


にしても、……わからない。
シュールすぎる。
デヴィッド・リンチ_c0206107_7213364.jpg



リンチ作品を見ながら思ったのは、…


リンチ的には、おぞましきものを見ている人に与えてやって、

で、例えば、そのおぞましきものというのが、変形した人間の顔(のように見えるもの)だったりすると、
それを見た人は、何かよくわからないもの、気持ちの悪いものが人間の顔に見えてしまう自分がいる、ということに気付く。
それに気付くことができるということは、普段生活している中にも人間の顔をそういう風に捉える瞬間が
無意識のうちにでも、あって、

実はあまり考えないようにしているおぞましきものに、無意識のうちに動かされている、操られている自分というのがいるんだよ
というようなことを表現しようとしているのかな…と思った。
(最近、構造主義の本を読んでいたので、自分の中でそういう方向持っていっただけだが。)


リンチの映画の中でも、怪しげな効果音とともに、建物のコーナー(曲がり角)に近づいていくというカメラワークが見られたけれど、

建物の曲がり角から何か出てくる、とか、曲がった先に何か居る!というようなサスペンド感がすごくあって、
で、そのサスペンドされているときには、実は見ている人はすでにコーナーの先にあるおぞましきものを体験しているというか。
そんな感じ。


で、ウィキでリンチについて調べてみると、彼は「シュールレアリズムをこよなく愛す」らしく。

シュールレアリズムはフロイトの無意識とかから出発していて、
フロイトもある程度、構造主義にリンクする部分があるので、あながち間違ってはいなかったのでは。


それから、リンチのリトグラフは結構かっこよかった。
これはその版。 最近のリトグラフはアルミ版が多いらしいが、リンチは石版だった。
デヴィッド・リンチ_c0206107_8253085.jpg


解説によると、モンマルトルにあるイデムという工房で制作していて、
そこでは、マティス、ピカソ、ブラック、シャガールなんかも制作していたらしい。

今度探して覗いてみよう。
by atsushiikudome | 2009-10-01 08:33