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つくること・みせること

起きたら、しとしと雨模様だったので

蚤の市もあまり出てないだろうと思って

1時間くらいごろごろしていた。


けどま、行ってみるかと思って、ヴァンヴの蚤の市へ。


着いてみると、結構賑わっていて、出遅れたな。という感じ。


パリの蚤の市は、郊外のブロカントに比べたらとても高く感じる。
郊外ブロカントで5€出したら、かなりの買い物のように思えるけど、
パリ内で5€だと、ホントにガラクタしか買えない。


あと、ヴァンヴは日本人がとても多い。



一度家に戻って、パスタを茹でて食す。


しばらくゆっくりしてから、マイヨール美術館へと出かけた。

マイヨールの彫刻は、肉体そのものだと思った。

ムキムキのロダンとはまた違い、柔らかなそれ。

彫刻家に好きな人が二人いて、一人はアルベルト・ジャコメッティ、もう一人がハンス・ヨーゼフソンなのだが
その二人と比べると、マイヨールはとても写実的につくっている。

前の二人は、人を作り始めるんだけど、そのらしさだけを追求していって、
そこに残った、人のらしさだけをモノとしてみせるという感じだと思うんだけど

この人のつくるものは、完全に肉だなーと思った。

マイヨールの表現力もすごいけど、モデルを務めたディナ・ヴィエルニーという人がすごい。
彼女が15歳のとき、73歳のマイヨールに出会い、10年間モデルを務めていて

その間たくさんの裸婦像やデッサン等を制作されているのだが、

その自分の裸婦像を展示する美術館を自分で作ってしまうという。

ま、他にも、デュシャン、マティス、ゴーギャンなどあり、
美術館の居心地、ほどよい立地、人の多すぎず少なすぎずな感じとか、
企画展の質の高さなど、いい美術館でした。


美術館から、歩いてシテまで帰ろうとしていると、

途中、映画館があって、マイケル・ジャクソン THIS IS ITをやっていたので観てきた。
つくること・みせること_c0206107_1154934.jpg


想像していたよりも、マイケルは以前ほど動かなくて、歌わないんだなと思った。
50歳だし、裁判のこともあったし、食も細くてガリガリになっていたし。
あと、なによりこれはリハーサルだっていうのが大きいか。

でも、それでも、彼は、マッチョな若々しいバックダンサーよりも全然キレのあるダンスをする。
歌も、めちゃくちゃうまい。


マイケル自身はだいぶ前から完成していて、それに磨きをかけるのはもちろんのことだけど、
そのまわり、背景をどう作っていって、それによっていかにマイケルを引き立てるのかということに
エネルギーを集中していたように思える。このTHIS IS ITでは。

逆に言えば、みんなでいいものをつくろうとしていたとも言える。

自分だけのステージではなく、バックダンサーのステージでもあり、
ギタリストのステージでもあり、パーカッションのステージでもある。
もちろん、プロデューサーや、舞台スタッフのステージでもある。

みんなでひとつの舞台をつくるために紡ぐ彼の言葉は、とてもやさしい。


しかし、編集もよかったな。

いい映画でした。
by atsushiikudome | 2009-11-09 11:55